創堂スタッフブログ「ワンログ」

ECサイトの新常識!今話題のライブ配信 ライブコマースを徹底解説

2022.01.05

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コロナの影響で、以前にも増してオンラインで買い物をする人たちが増えています。
そんな中、ECサイトの新常識として今注目されているのが「ライブコマース」です。

ライブコマースは、2019年頃から中国で流行りだし、コロナ以降一気に伸長したと言われています。
中国での市場規模は、すでに14兆円を越え、利用者も5億人に達しました。

そんな中国の成功に続けとばかり、近年日本でもECサイトにライブコマースを取り入れる企業が増えてきました。
しかし、ライブコマースという言葉にまだ馴染みがないという方も多いことでしょう。

そこで今回は、ライブコマースの定義や、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

ライブコマースとは?

「ライブコマース」とは、Live streaming(インターネット上での生放送またはリアルタイム配信)と、
e-commerce(インターネット上で行われる取引や売買の総称)を組み合わせた造語のことで、
インターネット上で視聴者に向けて、商品購入を促すためにライブ配信を行うことを意味します。

従来のテレビショッピングは、出演者が商品について情報を発信するだけの一方的なものでした。
しかし、ライブコマースでは、視聴者の疑問に配信者が答えるインタラクティブ型(対話または双方向)の販売形態を取り入れることにより、売り上げを伸ばしています。

配信者に直接質問することで、商品理解が深まるだけでなく、リアルタイム配信の臨場感や、
配信者とのコミュニケーションが楽しめる娯楽ツールとしての側面を持ち合わせているのも人気の秘密です。

e-commerceは、Electronic Commerceの略で、通称EC。
正式には、電子商取引を意味するが、ネットショップやネット通販という言葉の代わりに使われることもある。

ライブコマースが注目される5つの理由

今なぜライブコマースが注目されているのか。その理由を詳しく解説します。

①若者を中心にライブ配信が流行している

ライブ配信は、今最も注目されている動画トレンド。
17Live(イチナナ)やSHOWROOM(ショールーム)、MixChannel(ミックスチャンネル)など、
ライブ配信アプリが次々とリリースされ、特に若い世代で盛り上がりをみせています。
アプリの知名度によっては、視聴者数もかなりのものになるので、そこでライブコマースを行えば、費用対効果は抜群です。

②ライブ配信が誰でも手軽に行えるようになった

ライブ配信を手軽に行えるようになったことも、ライブコマースが注目されるようになった理由の一つです。
先述したライブ配信専用アプリの他に、Instagram・YouTube・FacebookなどのメジャーなSNSでもライブ配信機能が利用できます。
また最近では、ライブ配信アプリに決済機能が追加された、ライブコマース専用ツールも人気です。

③インフルエンサーという身近な存在の影響

ライブコマースで配信を行うのは、主にインフルエンサー(影響力の大きい人)やショップ店員、
生産者など個人の場合が多いため、視聴者にとって親近感が湧きやすいと言われています。
特にネット通販では、商品を手に取れないため、実際に商品を使ったインフルエンサーや、
販売しているショップ店員の意見を聞いてから購入したいと考える人が多いようです。
そのため、企業やブランド側の人間から発せられる一方的な情報よりも、
身近な存在であるインフルエンサーが発信している情報の方が、正確だと思う人も少なくありません。

④コロナで通販利用者が急増した

コロナの影響によって非接触が推奨されるようになり、対面販売は、オンライン販売へと急速な切り替わりを見せています。
そこでライブコマースは、インターネット上でお客さまとコミュニケーションを取る新たな接客手段として注目されるようになりました。
商品について知りたいことがあれば配信中に質問できるため、オンラインでも実店舗で買い物しているのと変わらない接客を受けられます。
近年では、百貨店や化粧品店、アパレルブランドなど、多くの業種がライブコマースを活用し始めています。

⑤中国での成功例があるため

ライブコマースが注目される理由として大きいのが中国の存在です。
中国は、まさにライブコマース大国。ライブ配信による商品販売が国民に広く浸透しています。
なかには、ライブコマースのマネタイズ(事業の収益化)だけで億単位の収入を得る人もいるなど、成功事例が数多くあります。
そのため、中国に続けとばかりに日本でもライブコマースを取り入れる動きが加速しているのです。

ライブコマースのメリット・デメリット

次は、ライブコマースのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

・商品の魅力を存分に伝えられる
ライブコマース最大のメリットは、商品の魅力を存分に伝えられる点です。
文字や写真だけでは伝わりづらい情報も、動画配信でより正確に伝えられます。
コスメの使用感やアパレルの着心地、アクセサリーのつけ心地など、実際手に取らなければ分からないことを配信者が視聴者に代わって体験。
インターネットでの買い物に不安のある人でも、安心して購入できるのが魅力です。

・購入者の疑問や不安を解消できる
インタラクティブな販売形態で、購入者の疑問や不安を解消できるのも、ライブコマースの大きなメリットです。
実店舗で店員に質問するように、知りたいことや不安に思うことをコメントでやり取りできます。
商品への理解を深めることで返品数の減少も期待できるでしょう。

・新たな購買層へのアプローチが可能に
実店舗やECサイトでは、商品に興味のある人に対して情報を提供しますが、
動画配信は、商品に興味のない人にも情報を発信できるため、さまざまな購買層へのアプローチが可能です。
そのため、ファンの多いインフルエンサーに商品を紹介してもらうことで、販売機会の拡大にも繋がります。
ライブコマースでは、インフルエンサーの知名度が商品の売り上げに大きく寄与するため、インフルエンサーの選択が重要になります。

デメリット

・配信トラブルが起きることもある
サーバーダウンや機材トラブルなどで、映像が乱れたり配信遅延が起きたりすることもあるため、
ライブ配信前には、システムチェックや配信テストを行う必要があります。

・知名度が低いと視聴者集めが難しい
どれだけいい情報を発信しても、誰かに配信を見てもらえないことには、何も始まりません。
知名度の低い企業や商品は、視聴者集めに苦戦することもあるでしょう。
そういった状況を打開するためには、影響力のあるインフルエンサーやタレントを起用するのがおすすめです。
また、プレスリリースの配信やメルマガ通知、SNSでのアピールなど、事前告知も必須と言えるでしょう。

・生放送ではトラブルも起きやすい
ライブコマースは、生配信が故にトラブルも起こりがちです。
例えば、インフルエンサーが商品をよく理解しないまま説明をしたり、
視聴者に対して不適切な発言をしたりして炎上してしまうケースです。
知名度の高いインフルエンサーの場合、いい情報も悪い情報もあっという間に拡散されてしまうため、
一度炎上してしまうと企業がダメージを受けることも。
生放送でカットできない分、インフルエンサーの選定には、十分注意する必要があります。

中国がライブコマース先進国なのには理由がある

ここからは、中国でライブコマースが爆発的に流行した理由を解説していきます。

ライブコマースが流行した中国の悲しい社会事情とは

中国は、別名「パクリ大国」と呼ばれるほど、コピー商品が大量に出回っている国です。
それゆえ中国では、ECサイトで買い物をすることに消極的な人が多く、信頼度も低い傾向にあります。
インターネットで買い物をすると、注文した商品とまったく違う物が届いたなどということはよくある話で、
物を買うときは自分の目で見極めてから、というのが中国の一般的な考え方でした。

しかし、インフルエンサーが動画で商品を紹介するライブコマースであれば、
自分で商品を見極める必要がなくなり、安心してネットで買い物ができるようになります。
中国でライブコマースが爆発的に流行したのには、コロナだけでなく、中国ならではの社会事情が関係しているのです。

中国ライブコマースの問題点

ライブコマース大国として急成長を見せる中国ですが、同時にさまざまな問題も抱えています。

インフルエンサーの高額な出演料

中国のライブコマースの売り上げは、人気インフルエンサーによってもたらされている部分が多く、企業にとっても彼らは、欠かせない存在です。
しかし、人気インフルエンサーの出演料は、300万円以上と高く、
また売り上げの数十パーセントを分配金として要求するケースが多いため、企業にとってはコストがかかります。
そのため、売れ行きが悪い場合は、企業側にまったく利益がでないこともあるのです。
それでもライブコマースを活用する事業者が絶えない理由は、ブランディングや集客率アップが見込めると考えているからでしょう。

値下げ要求や返品、サクラ続出で大赤字も

中国のライブコマースの見所は、何と言っても大幅な値下げです。
人気インフルエンサーの中には、企業への値下げ要求を強みとしている者が多く、視聴者から絶大な人気を誇っています。
インフルエンサーへの分配金は、ライブ配信中の売り上げで決まるため、
インフルエンサーたちは、企業に対して大幅な値下げ要求を行い、売り上げを増やそうとするのです。

しかし、インフルエンサーの中には、サクラに商品を購入させ、ライブ配信中の売り上げを水増しする者もいます。
企業から報酬を受け取った後にサクラが商品を一斉に返品することで、企業側が赤字になってしまったケースもあるのです。
中国は、返品の際に未使用や、商品到着から○日以内など、ルールがある日本と違い、
商品を無条件に返品できる場合がほとんどです。
そのため、返品に対するハードルが日本よりも低く、このようなサクラ行為の温床となっています。

まとめ

ライブコマースは、これまで一方向型だったネットショッピングを双方向型に進化させたものであり、
ECに実店舗と同等の接客を取り込んだ新しい販売形態です。
コロナ禍で外出自粛が叫ばれる中、自宅にいながら安心して買い物ができる画期的なスタイルとして、
今後日本でも拡大していくと予想されています。
ネットショッピングでありがちなミスマッチをなくし、返品率を減少させる効果も期待されており、
企業と消費者双方にとってもメリットの多いシステムと言えるでしょう。

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